理事長挨拶


臨床法学教育学会のウェブサイトへようこそ。

臨床法学教育学会は,日本における法曹養成のための臨床法学教育の研究と実践を発展させる目的で,2008年に設立されました。法曹養成教育の専門学会としては,日本で最初で唯一の学会です。

 

日本の法曹養成制度は,2001年司法制度改革によって抜本的に変革されました。国民が自律的存在としてその多様な社会生活関係を積極的に形成・維持・発展させるため,法曹は,国民のニーズに応じたリーガル・サービスを提供するプロフェッションとして,国民に奉仕する専門職とされました。そしてそのようなプロフェッションを養成するために,それまでの「点」(試験)による選抜から「プロセス」(教育)による養成へとその養成方法に変革がもたらされ,法曹養成に特化した法科大学院制度が設けられたのです。

 

プロフェッションの養成方法としては,単に法律学の知識・理解だけでなく,理論に裏打ちされた法技術の修得と国民に奉仕する専門職としての責任・態度の涵養が不可欠です。この理論と技能と責任を統合する教育手法としては,臨床教育(clinical education)あるいは経験学習(experiential learning)がもっとも効果があるとされており,その教育手法の研究・実践・普及が必要であるとして,この学会が設立されたのです。

このような設立目的から,会員の構成も多様で,法学者や法律実務家だけでなく,企業家,公務員,医学教育者など220名ほどを数えています。

 

学会活動としては,毎年1回,年次大会を開催し,学会誌『法曹養成と臨床教育』を定期的に刊行しています。学会誌には年次大会の内容に加え,Global Movement, Specialist Eyes, Student Eyes, 書評などの記事もあり,海外の動向や法科大学院生の視点も加えています。

 

日本の新しい法曹養成制度は大きな希望をもってスタートしましたが,現在,大きな困難に直面しています。司法制度改革が国民のために提供しようとした新しい法曹像とはどのようなものであったのか,またあるべきなのか,そのための養成方法はいかにあるべきなのか―本学会は今こそ問い,議論し,研究と実践を続けていきたいと考えています。

法曹養成の在り方や教育方法に関心をもつ多くの皆さんが本学会の活動に参加してくださることを期待しています。

 

臨床法学教育学会

理事長 四 宮  啓